一週間にわたり開催した「浦島太郎展」。
沢山の方々にお出で頂きありがとうございました。
カフェでの初の企画展でしたが、一番楽しんだのは私だったのかも知れません。
今、各地で伝統的な工芸品や道具のリ・デザインやリ・プロダクトが成されていますが、この「沖箱」はデザイナーや作家も意外に視界に入っていない物でした。
漁民のツールは未だ多くの魅力的なものが眠っている気がします。
それ以外でも自分の琴線に触れた物の企画展を機会があればやりたいと考えています。

曇天の休日。
「浦島太郎展」で疲れていたが午後遅く波乗りをした。カミさんも海に入るのは実に一ヶ月ぶりだった。
でも、やはり海はイイ。リフレッシュ出来る。きっと細胞が活性化するんだと思う。
波待ちをしている時にふと隣を見たらあの有名人が。湘南に住み毎朝波乗りしていると聞いたことがある。何かの撮影かなと思ったらやっぱりテレビカメラのクルーが岸から撮っていた。
結構いい波に乗っていましたよ。
家に帰りいつものようにシャワーを浴びてから一杯やった。パラパラと本をめくりながら。
ロスを拠点に活躍するデザイナー「八木 保」のセンスが好きだ。左のGRAPHIC EYEは彼のワークスやスタジオの内部、インテリア、審美眼に適ったコレクションが満載されていてとても興味深い。
作品はエスプリ、ベネトン、アップルストアなど世界的企業がクライアントだが、ジョブスから直に電話が入りアップルストアのデザインをしたのは有名な話。原寸大の模型を作ってプレゼンしたそうな。スゴイ!
ありえないが八木 保が「沖箱」をデザインしたらどうなるのか想像した(笑)。ポリカーボネートのスケルトン(少しマットな質感)できっとi phoneが収納できるんだろう。なんてね(笑)
カミさんが一週間のパリ旅行から帰宅した。
今回の目的はパン屋、ケーキ屋、チョコレート屋を巡る旅だったらしい。実際食べ歩くだけでなく厨房に入り製パンや製菓作業を見学できたという。
一緒に行った東京の佐藤さんもパンを焼くのが好きだし、パリで美味しいと評判のガレットやキッシュの店にも行けたので二人にとって実りある旅になったようだ。
さらにワインとチーズをもってベルサイユ宮殿の庭でピクニックしたり、エルメス本店でランチをしたりと羨ましい限り。
でも旅に出て異文化に触れインスパイアされたり、気持ちがリフレッシュできたりすれば何より。
サンドカフェでは6月2日(土)から8日(金)の1週間「浦島太郎展・粋で洒脱な沖箱遊び」を開催します。
「沖箱」とは漁師の木製道具箱のことを言う。
昔、房総の漁師達は皆この沖箱を提げて漁に出た。沖箱の中には釣具や弁当を入れていた。桶屋が作っていたらしい沖箱は、充分な強度と密閉性を持つ。ゆえに腰掛や転覆時の浮き代わりにもなったと聞く。
プロが使用する道具には魅力的な物が多いが、私はユーティリティーなツールボックスであるこの沖箱に魅せられてしまった。ローテックな漁業の民具であるが、あえて現代生活に取り込みたいと考えこの企画展を開くに至った。時間の流れが速すぎる現代生活へのアイロニーも込めて。
竹竿と沖箱を提げ防波堤に小アジやハゼを釣りに行く。箱に座りスキットルに入れたモルトをチビチビやりながらノンビリ浮きを眺める。時を忘れるための釣りなのだから釣れなくても良いのだが、運が良ければ今晩のおかずの分だけ釣果があるだろう。
または沖箱に茶道具を仕込みひとり小さな入り江の岩陰で茶を立てる。いや直火式エスプレッソメーカーにコンパクトなストーブでエスプレッソの野点でも楽しもうか。高価な茶籠は評価が既に定まっている。海辺に暮らす身には沖箱が相応しい。
今回の浦島太郎展では、そんな使い方の提案を出来たらと考えています。興味のある方は是非足をお運び下さい。
キューバの歌姫オマーラ・ポルトォンドのライブ見たさに青山の「ブルーノート」に出かけて来た。
80歳を超え、日本でライブを聞くことはもう出来ないだろうと思っていたが見事に裏切ってくれた。さすがにステージの行き帰りは介添えが必要だったし、座って歌う場面もあったが艶やかで張りのある歌声はブエナビスタの頃と変わらない。
歌姫の情感を込めて歌うボレーロに酔い、ピアノのチューチョ・バルデス(トリオ)との贅沢な競演に心踊った。(体で踊れなかったので・・笑)
おかげでモヒートに始まりラムのハイボール、ラムのオンザロックと飲むピッチも急上昇。
帰りの最終バスでは余韻に浸りながら気持ちよく居眠りできた。高速バスのお陰で夜のライブを楽しみ(飲んで)日帰りできる。
うららかな春の渚は、かなり潮が引き少し煙っていた。
波乗りを終え、波打ち際を歩いていると黒く大きな宝貝が目に留まった。この辺では珍しい宝貝だと思わず拾い上げた。(詳しい種類は判らないが)
程なくしてカミさんが海から上がってきた。
「大きい宝貝拾ったよ」と彼女は言った。何とその手には少し小さいが私が拾った貝と同じ物があった。
偶然とはいえ「夫婦貝」と言うのか、「つがい」と言うのだろうか?そんな二つの宝貝だ。
最近こういった出来事に必然を感じる私は「家宝にしよう!」とカミさんに言った。
おいおい、なんでそうドラマチックに持って行きたがるんだ(笑)
雨降りしきる休日の午後、ふとお茶をしたくなり館山の山中にある「grass-B」に出かけた。
店内には北欧っぽいジャズが静かに響いていた。肌寒い陽気ゆえストーブの薪が時折パチパチッと爆ぜる音が聞こえる。
店全体から静謐な心地よさが漂っている。大人が寛ぎに来れる店ってそうは無い。
私たちはカモミールとレモングラスのハーブティーとジェノベーゼピッツァとデザートにスパイシーなババロアをオーダー。
雰囲気も然ることながらメニューのひとつひとつが吟味されオリジナリティーを持っている。
サンドカフェは今年で19年目だがgrass-Bは何と27年目を迎えたと聞いた。
南房総にこういった老舗カフェがあることが私を勇気付けてくれる。
本当に大事な物ってあまり人に教えたくないんですが・・
「河は眠らない」
文豪、開高 健氏のアラスカでのキングサーモン釣りのビデオである。(DVDも出ています)50ポンドを超える巨大なキングサーモンとの戦いを通し全編に文豪の珠玉の言葉が溢れている傑作である。これは釣りのビデオであるが一人の男の哲学のビデオでもある。
80年代に制作されたこの映像を私はテープが擦り切れるほど観た。おかげで文豪の台詞のほとんどを覚えてしまうほどになった(笑)。それほどこのビデオは私にとって魅力に満ちていた。
大兄曰く「総じて人生は短い。やれる内やりたいことをやりなさい!グラスに酒が入っていたら飲み干しなさい!あとで飲もうと思ってもその時にはもう雫は残っていない」と。
私の勝手な思い込みにすぎないのだが、人生の折り返し地点を過ぎた男子に是非観てほしい作品である。
春らしい陽気が長続きしませんね。でも冷たい風の中ででも春らしい陽射しを感じることが出来ます。
チャーリー・ヘイデンはJAZZのアルバムの中でもビル・エバンス、キース・ジャレット(スタンダーズを含む)に次いでCDを多く持っているミュージシャン。集めたというよりは、長い年月の内に自然に増えていた感じ。
この「Land Of The Sun」は午後の暖かな陽射しのようなアルバム。長年これを聞いていますが、聞くたびに私を癒してくれます。ピアノのゴンサロ・ルバルカバも好きです。
「本当に気に入った物を長く使い込む」が私の物に対するスタンスだが、ヨーロッパなどではそれが当たり前のように浸透している。
特に家や家具といったものは代々受け継がれていて、数百年単位の付き合いにもなるという。何代も使われてきたであろう味のあるパイン材のダイニングテーブル、昔おじいさんが座っていたウィンザーチェアーには今、父親が座っている・・・といった風に。
この「チェスターフィールド」のソファーはイギリスのアンティーク。分厚いレザーの堅牢な作りゆえ私が生きている間はビクともしないだろう。
休日の午前はカミさんがヨガに行くので波乗りは午後から出かけるというパターンになっている。
当然風向きの変化や潮の干満、うねりの具合などによって午前中のいい波を逃してしまうこともあるし、またその逆の場合もある。このあくまでLet it be的スタンスが福を呼ぶ(笑)
この火曜日も午前は激しい雨と風の荒れ模様だったが、11時頃から急に晴れて気温もグングン上昇してきた。
さて、午後はどこのサーフポイントに向かうか?となる。
この間は南西の風で「Pier Point」だった。今日は北西っぽい。外房も良いだろうが「RockBeach」が良さそうな気がしてならなかったので直感を信じピンポイントで直行した。
最近は波が立つと混雑するRock Beachだが海には7,8人のサーファーしかいなかった。しかも波はコンスタントに腿、セットで胸弱と充分すぎる。
私はカミさんにチョット自慢げに「当てたね!」と言った。(笑)