スキーリゾート考

ナタリー・ドロンとルノー・ベルレー主演の「個人教授」(1968年)というフランス映画を観ていたらスキーリゾートでのシーンがあった。

確かアボリアーズというスキー場だと思うが、古くからの建築様式で建てられたホテルやレストラン、クラブなどが程よく自然に溶け込みヨーロッパ人のリゾート感が伝わって来るようだった。ゆったりと自然の中で充足した倦怠を味わう仕組みを彼らは知っているのだ。

かつて日本にはスキーブームがあった。シーズンともなると大渋滞の道路と長いリフト待ちの列、それも日帰りや一泊くらいのハードスケジュールで皆スキー場に押し寄せた。ユーミンを聞きながら。

今、そのスキー場は閑散としていると言う。ロマン無き採算至上主義では良いリゾートは出来ないし、時が経ち淘汰されてしまう。(私は二十代の時影響を受けた浜野安宏氏の書いた「リゾート感覚」という本を思い出していた。)

ただ私の中では、あの頃せっせとスキー場に通った五十代~六十代の人達が子育ても一段落し再び雪国に回帰すると思える。もうちょっとゆったりと落着いたスタイルで。実際少しづつその兆候があるらしいが・・

晴れた日のスキーの気持ち良さ、のんびり温泉につかり、地酒を飲みながら郷土料理を味わう。昔とは違う、そんなスキー旅行を再びしてみたい。

高校生の時ファンだったナタリー ドロンは相変わらずコケティッシュな魅力を放っていた。
高校生の時ファンだったナタリー ドロンは相変わらずコケティッシュな魅力を放っていた。

「BLUESEY BURRELL」

ジャズギター好きの同級生Kの部屋で聴いたケニー・バレルの「BLUESEY BURRELL」(1962年)というアルバム。

随分前のことだが、このアルバムの1曲目があまりに気に入ってしまい即CDを購入した覚えがある。

「Tres Talbras」というタイトルのその曲は、ボサノバなのだがラテン的哀愁に満ちている。それを象徴しているのがコールマン・ホーキンスの切ないフレーズ。私はこのアルバムを聴く時、必ずこの一曲目を3回~5回は繰り返し聴いてしまう。そうゆうのってあるでしょう?

Kは大きなアルテックのモノラルスピーカーに佐久間式真空管アンプのサウンドシステムでジャズを鳴らしていた。また、壁には何本ものギターが掛けてあったが美しいブルーのケニーモデルのギターが光っていたのが印象的だった。

ダンディーなケニー・バレルのギターにコールマン・ホーキンスのテナー。ピアノはトミー・フラナガン。しかしジャズミュージシャンてなんでカッコいい名前が多いのだろう?

黒いホーンスピーカーは初期型ラジオのスピーカーで飾りなのだが、古いジャズを聴いていると、このホーンから聞こえてくる気がする。
黒いホーンスピーカーは初期型ラジオのスピーカーで飾りなのだが、古いジャズを聴いていると、このホーンから聞こえてくる気がする。

TODAY IS A GOOD DAY

休日の朝は風も無く穏やかな晴天だった。

それだけで幸せな気分になれるのはジジイの証拠(笑)。今日は良き日だ。

こんな日は、まず布団を干し部屋の掃除をする。それから軽く朝食を食べコーヒーを淹れる。

部屋に入り、好きなレコードに針を落としゆっくりと葉巻に火を点ける。ずっと変わらない習慣だ。

私は、そんなリラックスした休日の午前を何よりも愛している。

午後からはカミさんと波乗りに出かける。ちょうど昨日ウェットスーツが届いた。

葉山のウェット工房「VELDOX」の高橋君のセンスにいつもお任せなのだが、今回も首後ろにペイズリー柄、腕には白い二本線が入りちょっと今風の感じに仕上げてくれていた。さすが・・

千倉ビーチは人も少なく腹~胸弱のちょうどいいサイズ。水も綺麗でファンサーフ日和だった。

ウェットスーツも暖かく動きやすく体にフィットしてくれたお陰でとても気持ちの良い波乗りが出来た。
これ以上何が必要?

そんなVery Ordinary Manな私です。

首が寒がりな私は、冬いつもタートルネックで過ごしている。ウェットも今回ハイネックを特注した。
首が寒がりな私は、冬いつもタートルネックで過ごしている。ウェットも今回ハイネックを特注した。

レイトショーは続く

毎晩、午後10時からのレイトショー。

一昨日は、ダスティン・ホフマンとジョン・ボイド主演の「真夜中のカウボーイ」だった。昨日は、ミア・ファローの「フォロー・ミー」を観た。

大切な何かを映画はいつも思い起こさせてくれる。

木製三段のワゴン(多分イギリスの物)にプロジェクターとDVDプレーヤー、オーディオアンプが乗せてあって、スクリーン奥のスピーカーとアンプは長いコードでつながっている。

上映する時は部屋の隅からワゴンを定位置に転がしてくる。あとはスクリーンを下げるだけで自室がプライベートシアターに変わる。

今日はフランスは冬のドーヴィルの海岸にトリップしようかな。あの「ダバ ダバ ダー」が聞こえてきた!

クロード・ルルーシュの「男と女」(1966年)、音楽はもちろんフランシス・レイ。

明日に差し支えないよう12時半過ぎには寝ますよ!一日一本が鉄則です。
明日に差し支えないよう12時半過ぎには寝ますよ!一日一本が鉄則です。

上映中

久しぶりのブログです。

実は、自室で毎晩映画を上映していました。

80インチのスクリーンにプロジェクターとDVDプレーヤー、おまけにアンプまで組んでセッティングしてくれた友人N氏。

私の書斎は六畳の和室。その狭小な空間ゆえ巻き取り式スクリーンを鴨居に乗せ、プロジェクター、アンプ、DVDプレーヤーは接続したままキャスター付ワゴンに収めた。これで観たい時はスクリーンを下ろしワゴンを部屋の後方に転がしてくればいつでも鑑賞体勢に入れる。

昨年末、真空管アンプとスピーカーを譲って頂いたM氏、そして今回のN氏と両エキスパートのお陰で私は信じられないほど安くこれらの装置を手にすることが出来た。真空管アンプに灯を入れアナログレコードに針を落とす。又、スクリーンにプロジェクターから映像を投影するという行為は共通性を持っていると感じる。

私は、プロジェクターの映像がこれ程きれいだとは思っていなかった。それに80インチの迫力が嬉しくて若い頃好きだった映画を毎日観返していた。フェリーニ「甘い生活」「8 1/2」、ヴィスコンティ「ベニスに死す」、ゴダール「気狂いピエロ」、アラン・レネ「去年マリエンバートで」、タルコフスキー「ノスタルジア」・・
しかし、若さもあったんですね。今は最後まで観るとちょっとシンドイものが多い。
タルコフスキー「ノスタルジア」、ビクトル・エリセ「ミツバチのささやき」、ダニエル・シュミット「ラ・パロマ」などは六本木WAVEにあったCINE VIVANTで出会った映画だ。帰りにキャンティでケーキを食べるのが楽しみだった。

そんなことを思い出しながら夜更けまでレイトショーは続く・・

私の一番好きな映画「太陽がいっぱい」。そのラストシーン。映画の持っている魅力のすべてがこの名作にはある。
私の一番好きな映画「太陽がいっぱい」。そのラストシーン。映画の持っている魅力のすべてがこの名作にはある。

夜には

仕事を終え、自宅に帰る。

自室にある古い石油ストーブ(VALOR)に火を点け、土瓶を乗せる。

それはお湯割を作るためだ。

ウイスキーか焼酎のお湯割。寒い時期にはこれがイイ。

時には中国茶も淹れる。好きな「東方美人」をある方から頂いてあるので、最近はそれを飲んでいる。何杯も・・

古いストーブは手がかかる。芯の手入れ、二日に一回の給油など。

でもホーロー製のストーブと土瓶は、この季節には必需品だ。

洋と和の異質な物の組み合わせが楽しい。
洋と和の異質な物の組み合わせが楽しい。

勢ぞろい

今年は、二日から開けたサンドカフェ。

最近ずっと店を手伝っている無口な長男、ひと月の半分位手伝っている次女に加え正月休みで帰宅した新婚の長女そして大学生の三女、つまり4人の子供達が勢ぞろいで忙しい3日間働いてくれた。

三女なんてカフェを開店した19年前はまだ2歳だったものなあ。いつの間にか月日は流れ、今は店の仕事を一緒にするまでに成長した。

家族全員で営む、そんな嬉しい正月の仕事始めとなった。

カミさんもどこか機嫌が良い。それが何よりホッとする(笑)

日めくりカレンダーにいい事が書いてあった。今年の私のテーマにしようかな!
日めくりカレンダーにいい事が書いてあった。今年の私のテーマにしようかな!

事始め

元旦は朝からシャンパンを飲みながらダラダラと過ごすつもりだった。

カミさんの「今日は波乗り行かないの?」の一言が無ければ・・

まあ元旦だし「初乗り」も悪くないと気を取り直し、私達は風波を期待して内房に向かった。目指すはRock Beachだ。

途中、館山の鏡ヶ浦から大きな富士の凛々しい姿を望むことが出来た。素晴らしいお年玉をもらった気分になった。

Rock Beachはオンショアながら腿~腰サイズの波。しかし水温は想像以上に冷たく、身が引き締まる思いがした。

この一年、気を引き締めてかかろうかなって体感できた初乗りになった。

穏やかな年の初めになりましたね。今年もよろしくお付き合い下さい。
穏やかな年の初めになりましたね。今年もよろしくお付き合い下さい。

年末・年始の営業のお知らせ

年々時の流れが加速度を増していくと実感してばかり。
今年も私の黄昏ブログにお付き合い頂きありがとうございます。

  • サンドカフェ       12/31~1/1 休業 1/2から営業
  • デイズギャラリー     12/31~1/2 休業 1/3から営業
  • 散歩カフェ(潮風王国)  無休で営業(12/31はPM3時終了・1/1はAM10時~PM4時まで)

今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

いつものように穏やかな時が流れる夕暮れの千倉ビーチにて。  来年も皆様にとって良い年でありますようお祈りいたします。
いつものように穏やかな時が流れる夕暮れの千倉ビーチにて。
  来年も皆様にとって良い年でありますようお祈りいたします。

クリスマスには

クリスマスにはクリスマスビールを飲む。

サンフランシスコの地ビールメーカー「アンカー社」がクリスマスに向けて出すスペシャルエールがある。毎年味付けとラベルデザインが変わるこのビールには、ハーブやスパイスがミックスされており香ばしくダークな味わい。この時期の楽しみだし気軽なプレゼントにもなる。

クリスマスにはクリスマスケーキを食べる。

近所のお婆ちゃんに付き合って(息子さんの店のケーキ)毎年頼む義理ケーキ(笑)。量産品だが、これはこれで懐かしい味がする。もうひとつはやはり近所の「オルネカフェ」に予約するシュトーレン。少しづつ大切に食べたいほど家族中がファンになっている。

クリスマスにはクリスマスソングを聴く。

ビング・クロスビーやナットキング・コールは家で、モータウンの往年のソウルシンガー達のクリスマスソングは車でよくかける。ジャクソンファイブの「I saw mammy kisshing santa claus」とか結構好きです。

そんな地味で平凡なクリスマスでいいんじゃないかな、と思う。

グローブトロッターからクリスマスカードが届いた。それを眺めながらゴクッと、濃いです。
グローブトロッターからクリスマスカードが届いた。それを眺めながらゴクッと、濃いです。
きよみちゃんの作ってくれるリースはサンドカフェのクリスマスイコンとなっている。
きよみちゃんの作ってくれるリースはサンドカフェのクリスマスイコンとなっている。

Weekend House

都会に住む皆さん、南房総に週末住宅を持つってどうですか?

例えば金曜日に仕事を終え、自宅に帰り車に荷物を積み家を出る。夜7時に出発すれば9時にはウィークエンドハウスに到着。(アクアラインと館山自動車道が整備されたお陰で都心からだと1時間半から2時間で南房総に来れるようになった)月曜日の早朝に帰れば都会4泊、週末住宅3泊のスケジュールが可能だ。

別荘というと贅沢な感じがするが週末住宅は小さくて簡素で良い。トレーラーハウスのようなものでも周りに広いデッキを張れば素敵だ。(潜在的ポテンシャルを秘めた南房総の地価は想像以上に安い)

安い中古住宅をコツコツ時間をかけて自分たちの好みに改修するのも楽しい。菜園や庭の植栽も思いのままだ。何より好きなアウトドアスポーツを混雑とは無縁のフィールドで満喫出来る。釣り、ゴルフ、波乗り、ヨット、ダイビング、自転車など。

土いじりや自然と接するスポーツなどの一次体験は免疫力を上げ生きるエネルギーを充電してくれるし、南房総のゆったりとした時間の流れが現代社会のストレスから遠ざけてくれる。

もちろん地元の人たちや地域の文化やコミュニティーを尊重するのはグローバルなマナー。

もし、貴方が南房総に週末住宅を持てたら当分の間は友人達には秘密にしておこう。こんないい場所うかつに喋れないから・・

もっと小さな小屋でも良い位だ。土曜の朝はデッキでのんびりブランチでも。
もっと小さな小屋でも良い位だ。土曜の朝はデッキでのんびりブランチでも。
そんなウィークエンダーの本を蔦屋書店で見つけた。
そんなウィークエンダーの本を蔦屋書店で見つけた。

「ミッドナイト・イン・パリ」

知り合いの方から勧められていたウッディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」だったが上映中には行けず、最近DVDでようやく観れた。

主人公は、パリ観光中に夢にまで見た1920年代のパリに迷い込む。そこでヘミングウェイ、ピカソ、マチス、フィツジェラルド、マン・レイ、ダリ、ルイス・ブニュエルらパリに集まっていた憧れの芸術家たちと関わることになる。

しかし過去にタイムスリップしてヘミングウェイやピカソと会えるなんて、まさに「大人のお伽噺」のようだ。

ウッディ・アレンのこの種の映画はどれもよく出来た佳作が多い。「カイロの紫のバラ」もそうだし「ボギー!俺も男だ」も楽しかった。

ウッディ・アレンはファンタジーを上質に料理する達人だ。

映画の中で流れているノスタルジックなジャズがすごくイイ。
映画の中で流れているノスタルジックなジャズがすごくイイ。

Empty

誰もいない海での波乗りは、時として快感、時として心細さ。

嵐のような低気圧が去った後の先週の休日、北風を感じ向かった先は私の好きな「The Cape」という内湾のサーフポイントだった。

沖には一人のサーファーが漂っているのみ。

意外だった。ロングライディング波が次々やってきているのに。

しかも私と入れ替えにそのサーファーは上がってしまった。

岸からずっと遠いこのポイントで一人では寂しいというか不安だった。以前、やはり寒い時期だったがパドルアウトしている時に目の前が真っ白になったことがあった。その時から一人で海に入るのが怖くなってしまった。

それから一時間半もの間、沖で私は「早く誰か入って来てくれないか」とずっと念じていた(笑)

「The Cape」の波はマジカルウェーブ。意外な時に波がある。こんなロングライディングのポイントがあるのも南房総の魅力だ。パドルで腕がパンパンになる。
「The Cape」の波はマジカルウェーブ。意外な時に波がある。こんなロングライディングのポイントがあるのも南房総の魅力だ。パドルで腕がパンパンになる。

エバンスとショコラ

木枯らしが吹いて古いストーブに火を入れる季節になった。

暖かくなった部屋でブランデーのお湯割り片手に聴きたくなるアルバムがビル・エバンスの「From Left to Right」

私にこのアルバムを教えてくれたのは、年配のとてもお洒落な女性だった。

千倉に別荘を持っていたその方は週末必ずカウンターにやって来た。都会の空気を身にまとい。

そして、いつも私の知らない美味しい物や銀座、京都などの話を聞かせてくれた。話ばかりでなく彼女のプジョーの自転車のカゴには美味しい御土産がいつも積まれていた。

時々別荘にも招待していただき、手作りのご馳走で持て成してくれることもしばしば。メイプルの家具で統一したインテリアもとても素敵だった。

そんなとても楽しい時間を私に運んでくれた人だったが色々な事情で千倉を引き払うことになってしまった。最後に大切な置き土産を残して・・

それはサンドカフェのデザートでも特にファンが多い「ショコラ(フォンダン)」の彼女のオリジナルレシピだった。

ピアノとエレクトリックピアノを交互に弾き分けるエバンス。ボサノバなどの曲も入っているお気に入りのアルバムだ。このアルバムを聴く度にとても良くしてくれたあの方を思い出す。あれから何年になるかな・・
ピアノとエレクトリックピアノを交互に弾き分けるエバンス。ボサノバなどの曲も入っているお気に入りのアルバムだ。このアルバムを聴く度にとても良くしてくれたあの方を思い出す。あれから何年になるかな・・

歩きました

バージンロードを歩いた。長女と初めて腕を組み。

雨の土曜日の結婚式。私たちの時も大雨だったことが甦る。

挙式から披露宴へと続く中、長女たちがこつこつ時間をかけて準備していたこの日への思いが随所に感じられ、二人から幸福感に満ちた時間を逆にプレゼントされたようで私はずっと幸せな気分に浸っていた。

今まで父親としてあまり娘に手をかけてあげられなかった私に感謝の言葉を送ってくれ感激。その分はこれから少しづつ挽回していきたいと思う。

一番反抗期がきつかった長女は保育士の仕事をしながらいつの間にか大人になっていた。そして優しく男らしい伴侶を得ていた。

私が三人の娘たちに願うことはひとつ「幸せな結婚をして欲しい」只、それだけ。一人目は無事そのドアを開けた。

深く心に刻まれた一日。皆さんありがとうございました。

ドレスを踏んだらいけないと思ったら、最初の一歩は緊張してちょっとよろけた(笑)。
ドレスを踏んだらいけないと思ったら、最初の一歩は緊張してちょっとよろけた(笑)。

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