波の音

知り合いの不動産屋さんから一枚のレコードをもらった。

「SURF BREAK FROM JAMAICA」

懐かしいタイトルのレコードは、私が70年代後半に持っていた浅井慎平さんが作った波の音のレコードだった。

だがジャケットが違う。確か私の持っていたものは砂浜に置かれた小さなヨットだったはず・・

裏にはJANTZEN RECORDSと記されていた。それは洋服メーカーのジャンセン(小杉産業)で、きっと販促用にプレスされたレコードだとピンときた。

 

家に帰りさっそくレコードに針をおろすと部屋に懐かしい波の音が響いた。

日頃、波乗りで波の音はいつも聴いているはずなのにジャマイカのモンテゴベイで録音された波の音は70年代の乾いた音だった。

 

「長年通った千倉のセカンドハウスを引き払った男性が何枚か置いていったレコードなの!」と不動産屋さんは私に話した。

きっとジャンセンの関係者の方だと思うが、置き土産の「波の音」が私に巡ってきたのだった・・

A面は波の音、B面はそれに浅井さんのウクレレが加わる。当時このレコードは販売戦略で洋楽のジャンルに置かれていたらしい。
「レコードプレーヤーが無いのでこのレコードが聴けないの」と不動産屋さんの女性は言っていた。私の小さな書斎で聞くには十分なクオリティだと思っているコンパクトなアナログシステム。
アナログオーディオが静かなブームのようですね。

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