Cape Codへ〜Nantucket島(2)

ナンタケット島はケープコッドのエッセンスがさらに凝縮されたような島だった。

同じ価値観を持つ人々によって長い間、大切に育てられ守られて来たのだろう。

 

その証拠に普段は6000人程の人口がサマーシーズンには10倍になるというが俗化されず洗練された素朴さの雰囲気を保っている。それは品性と良心、美意識に寄る所が大きいと考えられる。ここには濡れ手に粟の商売をする輩は入り込めないだろう。そう感じるオーラがこの島には漂っていた。自由競争型資本主義に毒されないテリトリーなのだ。

カミさんはナンタケット島で鮮やかな赤系パンツをはいていた。霧が多くグレートーンの街並みだから「ナンタケットレッド」という色が在るくらいこの島では赤が映える。私は白のオックスフォード・ボタンダウンを着たくなった。
赤いストライプの灯台が岬の突端に建っていた。シーズンオフで人影もまばらな海岸線、その淋しげな風景が東海岸らしい。
スコンセットの街並は、グレーの外壁に白い窓枠の正にサンドカフェの理想とした小じんまりした低層の家々が並んでいた。ただ地価は凄く高価なのでエスタブリッシュメントが多いのだという。
カミさんがチャンスがあれば欲しいと言っていたナンタケットバスケットをフォークアートのギャリーで見つけた。一つのバスケットを作るのに何ヶ月もかかると聞いていたがとても高価で諦めたのだった。
そのフォークアートのギャリーは欲しいものだらけだった。どの店も小さな看板で控えめだがラルフローレンやパタゴニアなんかのショップも点在する。スーベニールショップにはクジラと灯台がモチーフの雑貨が多かった。この島はかつて捕鯨漁の基地だったから。
アイスクリーム屋も何処もかしこも木っ端葺きの建築様式。グレーの外壁に星条旗が映えるんです。
今回献身的にガイドをしてくれたグリーンさん。何十年ぶりのナンタケット島を私達共々楽しんでいたようだった。
ナンタケット島。今まで私が訪れた中ではベニスと並んで比類なき完璧さのリゾートだった。

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