藤田画伯のコーヒーミル

私の店に藤田嗣治の使っていたコーヒーミルを置いていった人の名は確か「ニシヤマ」さんと言う日本画家だった。

 

千倉に数年間暮らしていたその方は、昔パリで画家の親父さんが藤田嗣治からもらったというコーヒーミルを私に預けていった。

 

それは、何気なく私がプジョーの古いコーヒーミルを好きだと話したからだった。

 

当時「ニシヤマ」さんは、毎日そのミルで珈琲豆を挽いていると話していたが、自分が愛用している貴重な品をいとも簡単に手放してしまうとは芸術の都パリに遊んだボヘミアン「藤田」のスピリッツと被ってしまう。

 

小さな店だが長年やっていると小さな奇跡に遭遇することがある。

100年前のプジョー。藤田嗣治の使っていたミルは今、サンドカフェのカウンターの上に在る。
100年前のプジョー。藤田嗣治の使っていたコーヒーミルは今、サンドカフェのカウンターの上に在る。
美術史においてもエポックメイキングなエコールドパリでも圧倒的存在感だったレオナルド・フジタ。ニシヤマさんは居ないがプジョーのミルは今サンドカフェに遺されている。
美術史においてもエポックメイキングなエコールドパリ。ルソー、シャガール、ブラック、モディリアーニなどそうそうたる顔ぶれの中でも個性が際立っていたレオナルド・フジタだった。

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