山陰にて(2)

宍道湖を望む水の都「松江」はとても魅力的なところだった。

武家屋敷が連なる「塩見縄手」にある小泉八雲の旧居にはずっと来たいと思っていた。随分前に雑誌で見たこの旧居は私の理想形「終の棲家」であった。

適度に簡素な平屋の旧家、どこか海の近くを感じさせる侘びた庭。

ここに居れる事が嬉しく、縁側に座りしばし陶然となっていた。

私は、見事な庭園芸術の足立美術館よりもこちらに惹かれるタイプ。

その後、近くの丘にある大名茶人・松平不昧公の茶室「明々庵」へ。松江は水の都であり茶どころでもある。

丘の上からは松江城が良く見える。何か松江に住みたくなってしまう・・・

お昼に出雲名物「割子蕎麦」をいただき、運河沿いにある「Objects」へ。ここは現代作家の器や古道具を扱う店主のギャラリーで昭和初期に建てられたビルの一階にある。

丁度、店主の集めた古い物展をやっており、スリップウェアや李朝の木工品、日本の文机などが展示販売されていた。ここの店主かなりの目利きのようだ。どれも厳選された物ばかり。

私の行きたい所巡りではカミさんや娘達たちに申し訳ないので、美味しそうなケーキ屋さんを見つけてお茶をし、2泊目の宿のある出雲日御碕に向かった。

小泉八雲旧居にて。いつまでもこうして居たいと思った。苔むした庭のサルスベリの老木に夏、ピンクの花が咲いているのを見てみたい。
小泉八雲旧居にて。いつまでもこうして居たいと思った。苔むした庭のサルスベリの老木に夏、ピンクの花が咲いているのを見てみたい。
「明々庵」。  私もいつお茶の世界に接近するか長年思案中(笑)
「明々庵」。  私もいつお茶の世界に接近するか長年思案中(笑)
全国至る所に目利きがいて、センスの良いギャラリーやショップが存在する。そんな所を巡りたい。
全国至る所に目利きがいて、センスの良いギャラリーやショップが存在する。そんな所を巡りたい。
そこで見つけた昭和初期に益子で作られた濱田庄司デザインのアサヒビールのジョッキ。今は私の机上に置かれている。
そこで見つけた昭和初期に益子で作られた濱田庄司デザインのアサヒビールのジョッキ。今は私の机上に置かれている。

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