ケトル

「シンプレックス(SIMPLEX)」というイギリスのケトルをカフェで使っている。

デザインと機能の両方を兼ね備えているのが大事で、業務用なのでお湯の沸きが早く、しかも容量が多くなければならない。

一見ステンレスに見えるが、熱伝導に優れた銅をクロームメッキしてあるので沸きが早く、底部に集熱コイルが巻いてあるタイプはさらに早い。容量も2.5リットルとたっぷりだ。

今までも色々なケトルを使ってきたが、ホーロー製は業務で使うには耐久性に欠けるし、人気のある柳宗理デザインも好きではない。

ちょっとクラッシックな雰囲気も気に入っているので、しばらくはこのケトルで落着きそうである。

右が集熱コイルのタイプ。注ぎ口には笛が鳴るよう鋼球が入っている。
右が集熱コイルのタイプ。注ぎ口には笛が鳴るよう鋼球が入っている。
黒のVALORのストーブに銅のシンプレックスのケトルが渋い。
黒のVALORのストーブに銅のシンプレックスのケトルが渋い。

山陰にて(3)

「行ってみたい」と思ってから大体の所が10年位経っている事が多い。

「植田正治写真美術館」、「小泉八雲旧居」そして「出雲大社」しかり。

それらを今回の山陰の旅で一度に叶えることが出来た。

山陰の穏やかな光と風を感じながらの旅でした。

人間、歳をとると寺社仏閣に惹かれると言うが本当ですね。

出雲大社は縁結びの神様と言われる。娘達には良縁が訪れる日が来て欲しいが。

大きな注連縄の下で、私はいつもの様に「ありがとうございます」とだけ唱えた。

あと一つ日本でずっと行きたいと思っている所があるが、そこにはいつ行けるのだろうか?

黒松と日御碕灯台。出雲の最果てにあるこの美しい灯台の遊歩道を歩くと柱状節理の岩壁と絶景を眺めることが出来る。
黒松と日御碕灯台。出雲の最果てにあるこの美しい灯台の遊歩道を歩くと柱状節理の岩壁と絶景を眺めることが出来る。
灯台前の宿にて。最近は朝風呂にも必ず入ります。前日の酒が抜け、体がウォーミングアップ出来るんです。
灯台前の宿にて。最近は朝風呂にも必ず入ります。前日の酒が抜け、体がウォーミングアップ出来るんです。
山から立ち上る雨煙が荘厳さを醸し出していた大社。伊勢神宮とここは訪れておきたかった。
山から立ち上る雨煙が荘厳さを醸し出していた大社。伊勢神宮とここは訪れておきたかった。
雨模様となった最終日。時間があったので急遽、世界遺産の「石見銀山」まで足を伸ばした。「群言堂」は残念ながら休みだったが、古民家の立ち並ぶ界隈は一見の価値がある。
雨模様となった最終日。時間があったので急遽、世界遺産の「石見銀山」まで足を伸ばした。「群言堂」は残念ながら休みだったが、古民家の立ち並ぶ界隈は一見の価値がある。

山陰にて(2)

宍道湖を望む水の都「松江」はとても魅力的なところだった。

武家屋敷が連なる「塩見縄手」にある小泉八雲の旧居にはずっと来たいと思っていた。随分前に雑誌で見たこの旧居は私の理想形「終の棲家」であった。

適度に簡素な平屋の旧家、どこか海の近くを感じさせる侘びた庭。

ここに居れる事が嬉しく、縁側に座りしばし陶然となっていた。

私は、見事な庭園芸術の足立美術館よりもこちらに惹かれるタイプ。

その後、近くの丘にある大名茶人・松平不昧公の茶室「明々庵」へ。松江は水の都であり茶どころでもある。

丘の上からは松江城が良く見える。何か松江に住みたくなってしまう・・・

お昼に出雲名物「割子蕎麦」をいただき、運河沿いにある「Objects」へ。ここは現代作家の器や古道具を扱う店主のギャラリーで昭和初期に建てられたビルの一階にある。

丁度、店主の集めた古い物展をやっており、スリップウェアや李朝の木工品、日本の文机などが展示販売されていた。ここの店主かなりの目利きのようだ。どれも厳選された物ばかり。

私の行きたい所巡りではカミさんや娘達たちに申し訳ないので、美味しそうなケーキ屋さんを見つけてお茶をし、2泊目の宿のある出雲日御碕に向かった。

小泉八雲旧居にて。いつまでもこうして居たいと思った。苔むした庭のサルスベリの老木に夏、ピンクの花が咲いているのを見てみたい。
小泉八雲旧居にて。いつまでもこうして居たいと思った。苔むした庭のサルスベリの老木に夏、ピンクの花が咲いているのを見てみたい。
「明々庵」。  私もいつお茶の世界に接近するか長年思案中(笑)
「明々庵」。  私もいつお茶の世界に接近するか長年思案中(笑)
全国至る所に目利きがいて、センスの良いギャラリーやショップが存在する。そんな所を巡りたい。
全国至る所に目利きがいて、センスの良いギャラリーやショップが存在する。そんな所を巡りたい。
そこで見つけた昭和初期に益子で作られた濱田庄司デザインのアサヒビールのジョッキ。今は私の机上に置かれている。
そこで見つけた昭和初期に益子で作られた濱田庄司デザインのアサヒビールのジョッキ。今は私の机上に置かれている。

山陰にて(1)

3月の終わりに山陰に行って来ました。

4月から社会人になる末娘といつも店を手伝っている次女を誘い、鳥取から島根への2泊3日の旅でした。

米子空港からレンタカーで境港に行き「水木しげるロード」を歩いた後、私の好きな写真家「植田正治」の美術館に向かった。

植田さんは砂丘での代表作に象徴されるように生涯、鳥取を中心に活動した人。「絶対演出」の手法やアマチュア精神で楽しく撮る主義で知られるが、私の印象はモダンで滅茶苦茶センスが良いということ。撮れそうで撮れない植田さんの写真は、とにかく見ていてワクワクします。

美へのアプローチがスマートで垢抜けている。そんな植田さんの作品を収める箱「建築」は関西の高松伸氏。高松氏の建築は尖がっていて私は好きではなかったが、この美術館はテクスチャーも空間もシンプルで良かった。

その後、安来にあるカリスマバリスタ門脇さんのカフェ「ROSSO」へ。自家焙煎の豆で作ったカプチーノやケーキをいただき門脇さんともお話することが出来た。

山陰での1泊目は「玉造温泉」で。

水木しげるロードで砂かけ婆とサンドのママが仲良くパチリ。レトロな商店街は鬼太郎キャラだらけ。テレビの「悪魔くん」(実写版)も好きでした。
水木しげるロードで砂かけ婆とサンドのママが仲良くパチリ。レトロな商店街は鬼太郎キャラだらけ。テレビの「悪魔くん」(実写版)も好きでした。
写真集より「パパとママとコドモたち」1949年でこのモダンさ! 絶対演出の植田さんの写真を見ていると写真て楽しんだと再認識出来る。絶対非演出派の土門拳を植田さんが撮った写真もあって面白い。
写真集より「パパとママとコドモたち」1949年でこのモダンさ! 絶対演出の植田さんの写真を見ていると写真て楽しんだと再認識出来る。絶対非演出派の土門拳を植田さんが撮った写真もあって面白い。
美術館の2階に上がるとこんな仕掛けが。水面に大山が写り、ハットを被っていた。大山てダイナミックで印象的な山でした。
美術館の2階に上がるとこんな仕掛けが。水面に大山が写り、ハットを被っていた。大山てダイナミックで印象的な山でした。
「ROSSO」の門脇氏はラ・マルゾッコのエスプレッソマシンを操り、自在なカプチーノアートを描いてくれた。その可愛さに娘達も喜ぶ。
「ROSSO」の門脇氏はラ・マルゾッコのエスプレッソマシンを操り、自在なカプチーノアートを描いてくれた。その可愛さに娘達も喜ぶ。

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