大先輩からのブランデー

「海岸美術館」時代から私のことを色々と気にかけて頂いている大先輩がいる。もう20年以上にもなるご縁だ。

大先輩がカフェに来てくれる度に私は今の日本の社会や政治のことなどを不躾に質問してしまうが、そういった事にイヤな顔ひとつせず深い洞察力をもって答えてくれる。その造詣の深さは芸術の分野にも及び西洋美術史にも詳しい。

先日、大先輩が大きなバッグを担いで店に入って来られた。そのバッグには高価なブランデーが何本も入っていた。そして「もう、これは飲まないから」と何と全部私にくださった。

こんな重い物をわざわざ横浜から担いで来てくれたその気持ちに目頭が熱くなった。本当にいつもお世話になってばかりである。

以前、大先輩の奥様から頂いたCDを聴きながら夜遅い時間にブランデーを舐める。しばらくブランデーなど飲んでいなかったがこの酒はホント「美味い」としか言いようが無い。

キューバの至宝コンパイ・セグンドのデュエットアルバムは色々なジャンルのシンガーとのデュエット曲集だ。特に奥様が夕方聴くと最高だと言うアフリカのディーバ、セザリア・エヴォラとの「黒い涙」が白眉だ。

ご夫妻からの気持ちを頂きながら、夜な夜な贅沢な時間が過ぎて行く。

横浜のご自宅にお邪魔したり、一緒にアリーナの骨董市に出かけた事も楽しい思い出である。
横浜のご自宅にお邪魔したり、一緒にアリーナの骨董市に出かけた事も楽しい思い出である。

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