夏の日のサヨナラ

ホスピスに一ヶ月近く入院していた親父は、信じられない気力で二つの望みを叶えた。

一つは、お世話になっている先生や看護師の方々にサンドカフェでカレーとコーヒーを振舞うことだった。もちろん自分も何口か食した。

二つ目は、自宅に帰り最後の展覧会の油絵を選ぶことだった。只、それを理由にどうしても生まれ育った自宅を味わいたかったのだと思う。

どちらも酸素吸入機を付け、車椅子で短時間の外出だったが、あまりハッキリ話すことの出来ない父親は両手で丸のサインを作り満足そうだった。

その日から程なく親父は逝った。本当に「良き人生」を過ごした人だった。

通夜、告別式、納骨と私は喪主としてバタバタと過ごした。

そして誰もがそうである様に、葬儀を終えた私の心はポッカリと風穴が開いた様な空虚さに襲われている。

昔、「サヨナラだけが人生だ」って誰かが言ってた。
昔、「サヨナラだけが人生だ」って誰かが言ってた。

TRUCKの軌跡本

トラックファニチャーの自宅・工房・ショップ・カフェを一つに集約したプロジェクトの9年間にわたる記録の写真集。

若い人はこんな生き方に憧れるだろうな。

自分の価値観に忠実であり、ずっと好きな家具製作を続け、多くの支持者を得て成功者と言われてもそのスタイルを崩さず、平凡な家庭と非凡な仕事をして暮らすその生き方に。

敷地に植える木を自分の眼で確かめに北海道へ行くそのこだわりが潔い。

家具選びにゆっくりと時間をかけて欲しいと開いたカフェも妥協せずトラックの普遍的世界が具現化されている。

私も「BIRD」カフェに行きケンタロー氏直伝のハンバーグやドーナツロボットで作ったドーナツが食べたくなった。

「人生はとっかえっこ」だと先達が言う。何を得て何を失うかだと。トラックの二人はそのバランス感覚に何のブレも無い。

家具製作に日々勤しみ、オフはヌーサで波乗りをするという。そのヌーサへの旅がトラックの二人に大きな刺激を与えたと書かれていた。私もヌーサには再び行ってみたいな。
家具製作に日々勤しみ、オフはヌーサで波乗りをするという。そのヌーサへの旅がトラックの二人に大きな刺激を与えたと書かれていた。私もヌーサには再び行ってみたいな。

ポジャギ

「ポジャギ」とは、朝鮮の古い風呂敷。

薄絹や麻でパッチワークが施されている。

夏の強い日差しに透けたアノニマスな針仕事の痕跡。

私の目を楽しませるだけでなく昼は自室の日よけに、夜は目隠しとして風に揺れている。

夜は障子を開けて網戸で寝るととても涼しい千倉の夏。

ポジャギはチープシックな布のアート。
ポジャギはチープシックな布のアート。

A day in the LIFE

この夏、親父がホスピスに入院した。サンドカフェから車で5分の小さな漁港近くのクリニック。

いろいろな木々が植えられた中庭を囲みホスピスの病棟がある。広いデッキが張られ、風に木々が揺れ、海鳴りも聞こえる。

数日前、病院の方々が小さな花火大会を開いてくれた。

大きなガラス戸を開け、そのままキャンドルが灯されたデッキにベッドが移動できた。他の病室の患者さんもベッドに寝たままデッキに出て花火を楽しんだ。

和気あいあいにスタッフの皆さんが上げてくれる花火を見ていると、急に親父がビールが飲みたいと言った。院長先生に快諾してもらい親父と先生は一番小さな缶ビールで乾杯した。

3ヶ月振りだというビールを一口飲むと親父は「あーッ、ウマイ!」とつぶやいた。

それはビールの味では無く、その夜の気分がそう言わせたに違いない。

忘れえぬ夏の一夜。

町内にこんな環境の良いホスピスがあったことに感謝!
町内にこんな環境の良いホスピスがあったことに感謝!

Borsalino

自分が「ボルサリーノ」を被るとは思っていなかった。

でも、ディフュージョンラインがあったんですね。

しかしこの暑さ。外出する時はいつも被っていますよ。格好だけじゃなく。

もちろんサーフィンに行く時も。

ホント、海の上でも被ろうかと思っていますよ。(ウソです)

歳をとると波待ちしている時の陽射しがきついんです。でもサーフブランドのハットはイヤなので麦わら帽でも被って波乗りします。この夏は。
歳をとると波待ちしている時の陽射しがきついんです。でもサーフブランドのハットはイヤなので麦わら帽でも被って波乗りします。この夏は。

夕暮れの港でモヒートを

久々の千倉サンバフェスティバルがもうすぐです。

8月11日の土曜日、場所も同じ千倉漁港で夕暮れに。

今回は銀座4丁目のバー「ランプ」が出店し、美味しいモヒートやラムベースのカクテルと共にシガーも用意するとの事。また、松戸の有名ラーメン店や千倉のインディーズピザなど飲食の充実はこのフェスティバルのこだわる所。益々楽しみです。

暮れゆく空、潮の香りと熱いサンバのリズム、プロのバーテンダーが作るモヒートそして煙・・・タマリマセン。

アツーイ夜になりそうです。
アツーイ夜になりそうです。

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