我が家の廊下に古いロングボードが架かっている。20年ほど前の事だが、ハワイを特集した雑誌に写っていた一本のロングボードに一目惚れしてしまった。
黒いスイムパンツを履いた褐色の肌のロコが砂浜で手にしていたのがその板だった。ノーズ部分(テールも)は組み木が施され、スリーストリンガーがクラッシックな雰囲気を漂わせていた。小さな菱形のディケールは「Hobie surfboard」だと理解できた。
いろいろ手を尽くして調べたら静波の「Jack」という老舗サーフショップにあることが分った。そして、それはレジェンドのフィル・エドワーズが削った板でJackのオーナーがカリフォルニアから手持ちで運んできたものとのことだった。
あれから20年の歳月が流れた。千倉の海で使い込まれイイ感じのアメ色に育ったその板は、私が再び還暦後に乗る板としてスタンバイしている。