Sand CAFEの営業日ですが、次のようになります。
11月22日(月)・23日(火)は営業致します。24日(水)は代休となります。
よろしくお願い致します。

私が高校生の頃、よくラジオのFM放送を聴いていた。なかでも渡辺貞夫の「マイディアライフ」や「ジェットストリーム」など、夜は大人の音楽番組が多く、今のように流暢なしゃべりのDJとかもまだ居なかった。
その頃の落ち着いた間のある語り口がFM放送のイメージとして私の中に定着しているため、なかなかしっくり来る音楽番組に出会えないでいる。
今から2~3年ほど前までNHKで火曜日の午後4時からラテンの番組をやっていた。ちょうど私の休日と重なり楽しみに聴いていたものだ。司会は竹村 淳さんだった。この人の落ち着いた解説とあらゆるラテン音楽を網羅した構成が楽しみだった。タンゴ、ボサノバ、キューバ、レゲエ、ファドなどなど。とくに中南米の音楽事情には精通されていて、この番組を聴いてCD屋さんに駆け込んだこともあった。
もう一度、FMでこんな大人の音楽番組を取り戻すことは出来ないものだろうか?
多くのサーファーにとってジャック・ジョンソンはたいへん人気があるミュージシャンだが、私にはどうもあのパサパサしている感じが馴染めない。体に染みて来ないのだ。
ワークブーツに染み込んだオイルのように、若いとき体に染み込んだ音は色落ちすることは無い。例えばザ・バンド、例えばCSN、そして二ール・ヤング。
ニール・ヤングの「HARVEST」に入っている「Out On The Weekend」や「Hert Of Gold」は大好きだが「On The Beach」というアルバムの「(See The Sky)About To Rain」やタイトル曲「On The Beach」などは、若いときはあまり印象に無かったが今聞くととてもいい。
千倉の波が良くない時に平砂浦や江見に時々足を伸ばすが、昔みたいにカーステレオでよくニール・ヤングを流している。
カフェで長年使って来たエスプレッソマシンが壊れた。フランス、RENEKA社のマシンで経年13~4年位だろうか。メーカーの人にも修理不能と言われ泣く泣くあきらめた。
イタリアのラ・パボーニはニューヨーク近代美術館のデザインコレクションにも認定された美しくレトロなボディーのエスプレッソマシン。形から入る私としては実用性をあまり考慮せずこれに決定。
レネカは水道直結式だったが、パボーニはいちいち水を注ぎ足すタイプ。忙しい時はしんどいが、これから扱いに実戦で慣れていけば何とかなるでしょう、とお気楽な私。なにせイタリア式ですから。
ロングボードに乗り始めてからはずーっとシングルフィン一辺倒。このまま生涯シングルという感じだ。
昨今のプロコンテストの影響なのか軽く、薄く、フィンも3本付いた板にのっているロンガーをよく見かけるが、そういった板には全く興味が無い。
私にはフィンは1本あれば充分。それにちょっと重めの板がいい。波に乗ってしまえば重さはあまり気にならないし強いオフショアの時などはテイクオフにも重さが有利に働く。
プロの中で気になる存在が瀬筒雄太という人。彼は重めのシングルフィンで戦っているがアクションが洗練されていてセンスの良さを感じさせる。
突然の訃報だった。
私が大学生だった時、鴨川の海で知り合い初対面にも関わらず自分のレストランに連れて行ってくれハンバーグをご馳走してくれたKさん。
また、サンドカフェを開店する時も本当に何度も相談に乗ってくれ、オープン前には泊り込みで手伝いに来てくれたKさん。(あの頃、貴方がとても精神的に厳しい状況だったとは後で知りました。)その後、何回かカフェでライブをやってくれましたね。そしていつも最後に「君の友だち」を歌ったKさん。
最後に会ったのは今年の4月の武道館。運命の導きなのかジェームス・テイラーとキャロル・キングのコンサートだった。
たまに会う度にサンタクルスでもう一度暮らしたいと言っていたのを思い出す。
瀬戸内の最終日は、この旅でいちばん予測不能だった場所「犬島精錬所」に向かうべく朝一で港に。このフェリーに乗り損ねると夕方のフライトに間に合わないからだ。
犬島に上陸すると微かにガス臭がした。チケットセンターも精錬所まで続く遊歩道もきれいに整備されている。黒っぽいカラミ煉瓦が背丈程積み上げられ迷路のようになっている。私は強烈なデ・ジャ・ブを感じていた。
精錬所の内部はタイムトンネルの様だった。百年の時差を体感できるタイムトンネル。その設計もアートワークも素晴らしい。来て良かったと思った。
カフェで飲んだ濃い犬島ジンジャーエールもオススメ。
地中美術館は直島での人気スポットで、入場整理券をまず取らなければならなかった。そして指定された時間に美術館に向かう。
白く輝く無音の空間にモネの晩年の睡蓮がある。2×4mを超える大作は離れて良し、寄って良し。マチエールは気が遠くなるほど深みがある。晩年のモネは白内障に悩まされていたとかで光の描き方などは暗めになっている。なので白く輝く部屋との相性は絶妙。
ベネッセには安藤忠雄のミュージアムが3館(家プロジェクトの南寺を入れると4館)あるが、どれも初めに作品ありきなので作品と空間がとてもいい関係にある。なんとも贅沢なスペース。
2日目の午後は、大竹伸朗の家プロジェクト「歯医者」や「アイ・ラブ湯(銭湯)」を巡り活力をもらった。
今から20年ほど前にモダンアートに傾倒していた時期があってMOMAにも出かけたりしていた。その頃香川県の直島という人口3千人くらいの島に福武書店が施主で安藤忠雄氏設計のホテルと美術館が出来たと何かで知った。多分、海岸美術館を設計した石井和紘氏の設計した役場や学校がある島だったからかもしれない。
今回「瀬戸内国際芸術祭」の開催をきっかけにその直島詣でが実現した。あれからベネッセハウスを核に家プロジェクトや犬島アートプロジェクト精錬所などその周囲の島々にもアートが拡散し、今やフランスの雑誌で世界で行くべき10の場所のひとつに選ばれるほどになっており年々内外からやって来るアート巡礼者があとを絶たないという。いやアートお遍路さんというべきか?
私たち家族もアートお遍路さんとして暑い中、路地を歩きシャトルバスや船で移動し行列にも並び行脚した。それでも楽しくて仕方ないのはアートがパワーをくれるからだ。ヨーロッパから来ている人たちもかなりいた。