長さ6フィート前後、幅は50cm弱の桐の木に亜麻仁油を塗っただけの波乗り用の板。この板にはサーフボードの大事な機能であるフィンは付いていない。
ホノルルのビショップミュージアムという海洋博物館に展示してあるサーフィン創成期の木の板「アライア」にインスピレーションを受けたトム・ウェグナーというボードビルダーが、彼のエッセンスを加え復活させた波乗り板。その魅力は瞬く間に世界に広まっていった。ついこの間のことである。
普段9フィートオーバーのロングボードに乗りなれている私は、この短くて薄いただの木の板に悪戦苦闘した。沖で波待ちしている時も肩ぐらいまで沈んでしまうし、パドルもフラついてままならない。
しかし、なぜか楽しい。板で波に乗り、遊ぶという単純な行為。それがサーフィンの本質のはずなのに、普段の私の波乗りはいろいろな邪念が入り込んでいたらしい。
とにかく、このアライアはシンプルの極み。そこに惹かれる。