ソマリア近海に出没する海賊から一般船舶を護衛するため、アデン湾に行っていた知人が久しぶりに店に来てくれた。無事だったことに安堵を覚えると共に忙しいなか遠くまで足を運んでくれたことに感激。
いつもの深煎りコーヒーを飲みながら、いろいろな話を伺っていると小さな置物を車から持ってきてくれた。それは石を彫って作った高さ10cm強のきれいなピンクがかったベージュの象の置物だった。
向こうは仕事が無く、採れる石を使って大人たちが彫り、子供が磨いたりして売っているのだと聞いた。ソマリアという国は世界でも最も貧しい国だと新聞で読んだことがある。貧しい国で内戦が絶えないとなると悲惨だ。海賊の発生するバックボーンはそこにある。
この小さな象の置き物の向こう側にはそんな世界があった。